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2020年12月25日、本学を会場に、「子どものためのPFA(心理的応急処置)基礎講座」を開催しました。
大災害や事故に直面しストレスを抱えている子どもや養育者の心の応急手当「子どものためのPFA(心理的応急処置)」について、基本的な理解を深めることを目的としたこの講座には、子どもにかかわる職業の方や災害医療に関心のある方など、学内外から18名の参加者が集まりました。
「子どものためのPFA」とは、災害などの緊急時の、子どものこころの応急手当てのことです。世界保健機関(WHO)などが主体となって開発したPFAを、子どもに特化する形で民間・非営利の国際組織「セーブ・ザ・チルドレン」が再編した、専門家でなくても誰でも実施できる手法です。
講師の福地 成 先生(みやぎ心のケアセンター副センタ―長)は、小児科医、精神科医であり、宮城県を中心に被災地の訪問、各種の普及啓発活動、地域支援者へのスーパーバイズなどを行っています。
講座では、はじめに、2011年の東日本大震災で福地先生が支援者・医療者として向き合った、被災された方々の心の状態や症例、相談事例などの実際のお話から、「災害に直面したときに、人はどのような反応を示すのか」「時間が経過するとともに、どのような反応を示すのか」を考えました。
PFAの行動原則「準備(Prepare)・見る(Look)・聴く(Listen)・つなぐ(Link)」(P+3L)と、その具体的なポイントを学ぶとともに、映像資料や、グループワークによる緊急時の場面を想定したシミュレーションを通して、危機的な状況下で子どもが示す年齢別反応、ストレスを抱えた子どもとのコミュニケーションの取り方などを真剣に考え、話し合い、発表して全体で共有しました。
緊急事態に備えて平時から地域で取り組むことの重要性について認識を新たにする機会となりました。
新型コロナウイルス感染症の影響を考慮し、オンラインでの講演となりましたが、福地先生、参加くださった皆さま、関係各位のご協力により、実のある講座となりました。御礼申し上げます。
本学では今後も災害時の支援や防災について継続して考えてまいります。