検索

投稿日:2021.02.17

食育実践者による「食育実践報告会」を開催しました

2021年2月13日、本学を会場に、食育実践者による「食育実践報告会」を開催しました。新型コロナウイルス感染症の影響を考慮し、オンラインでも同時配信しました。

まず、本学食物栄養学科の森山洋美より、「栽培・加工・調理体験を通して食を楽しむ食育プログラムの開発」と題し、附属園・系列園の園児・保育者を対象に行った食育プログラムについて報告されました。

大豆の栽培から、大豆加工品である味噌づくり、味噌を使った調理まで、 “みて、さわって、きいて、かいで、味わう”五感を働かせる体験を通して、子どもたちが食べ物の大切さを知り、自主性や創造性を育むことが期待されます。

本学の食物栄養学科・幼児保育学科の教員と学生が作成した食育教材を使って、子どもたちの理解と興味を促すための工夫や、プログラムを実践して感じた課題や改善点などが紹介されました。

森山准教授による報告の様子

森山准教授による報告の様子

続いて、虹色のたねの会代表の松野麗子氏より、「高校生放課後自炊塾」についてご報告いただきました。

「高校生放課後自炊塾」は、進学や就職で親元を離れ一人暮らしをする高校生に、自炊調理を教えるだけでなく、青森の郷土食や食材に触れ、豊かな青森の食を感じてもらう試みとして、今年度、県の委託を受けて、全7回実施されました。

すでに一人暮らしを始めている大学生や社会人、保護者などのニーズや現状についてアンケート調査を行った上で、放課後自炊塾のコンセプトを明確にし、レシピや内容などを練り、企画を実施したこと、SNSを使って効果的かつ即時的に開催周知したことなどが紹介されました。

松野氏による報告の様子

松野氏による報告の様子

三番目に、東北町保健衛生課の向井庸平氏から、「行政栄養士によるSNSを活用した食育の発信」と題して、東北町で展開されている食育の多様な取組みについてご報告いただきました。

「やさしさあふれる健康福祉のまち」東北町で、向井氏は栄養士としての専門性から食育事業にも取り組んでこられました。今般のコロナ禍で事業実施の方法論が転換を迫られ、情報発信ツールSNSや動画媒体を通じての展開を開始し、おうちじかんで、すぐに、だれでも、簡単に、楽しく情報にアクセスすることが可能となり、ユニークで新しい形で栄養教育、健康教育が町民にもたらされたことが報告されました。

動画や写真とともに、食育レシピ、月齢に合わせた離乳食づくり、発達や子育て、町の特産品やレシピのPRなど、多様な情報が発信されていること、さらに、町が行ったアンケート調査により、若い世代へのSNSでの情報発信が有効である可能性が示されたことも紹介されました。

向井氏によるオンラインでの報告の様子

向井氏によるオンラインでの報告の様子

教育機関、民間、行政、三者三様の取組みを聞き、それぞれの立場や角度からの挑戦、工夫、課題を知ることができました。

松野氏の「学校以外の活動の場所があること」「学校という枠組みを超えた活動となったこと」とのお話は、向井氏と森山の報告にも通底し、自分の馴染みのある居心地のよい空間や人間関係の“外側”とのつながりの大切さを認識させるものでした。

最後に、本学幼児保育学科の前田美樹が報告会を総括し、多くの人の関わりや多職種の連携による食育実践の可能性を見出して、本報告会は盛会に終了しました。

前田教授によるまとめ・総括

前田教授によるまとめ・総括

人と接し、食べ物を扱い、口にする食育活動は、コロナ禍において、予定どおりに実践することの難しさや、普段以上に注意を要する緊張、担当者の増員や必要物品の手配など、さまざまな問題が伴います。三者から共通してこれらについての報告があり、その中での創意工夫や可能性が共有されました。

会場には、実際に栽培した大豆や、大豆ができるまでを描いた絵本など本学オリジナルの食育教材を展示しました。また、報告会の開始前や休憩中には、CHU-TAN食育ソング「だいずのうた」が流れ、メロディとともに軽やかな雰囲気の中で行われました。

食育教材の展示

食育教材の展示

本学はこれからも、青森県民が健全で豊かな食生活を送ることができるよう、さまざまな食育活動を実践、推進するとともに、地域の食育活動実践者を支援する取組みを続けてまいります。

会場にお運びくださった皆さま、オンラインでご参加くださった皆さまに感謝申し上げます。


Instagram

ページ上部に戻る