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投稿日:2022.10.25

後潟ホヤ養殖を体験しました(10/10)

2022年10月10日、食物栄養学科の学生と教員が、青森市の後潟漁業協同組合で、ホヤの養殖業を体験しました。

これは、青森県の「若者世代に向けたあおもりの魚食普及事業」の一環で、20代~40代の若者世代への魚食イメージアップを目的として、実際の漁業を通じて魚食体験をしようという企画です。

講師は、後潟でホタテガイやホヤの養殖、定置網漁をされている漁師、西谷文昭さんと西谷広江さんご夫妻です。

西谷さんは、優れた漁業経営を行い、漁村青少年の育成に指導的役割を果たしているとして、青森県漁業士会の「指導漁業士」に認定されています。漁師カードでも、レアカードとして人気の漁業者さんです。

この日はあいにくの天候で、当初予定していた漁船への乗船体験は取りやめとなりましたが、ホヤをどのように養殖しているのか、ホヤの種を付けた網の設置の仕方とコツなどを、西谷さんから図説とともにレクチャーを受けました。

その後、みんなで実際に種付け作業を体験しました。いかに、効率よく、ホヤが成長しやすいように、綱に種をつけるか、その難しさを実感しました。

そして、いよいよ、後潟ホヤを手に取り、自分たちでさばきます。その大きさ、形に、驚きの声が上がります。

広江さんから手ほどきを受けた学生たちは、躊躇なく次々にさばいていきます。

生食がおいしいのはもちろんのこと、漁業者ならではの食べ方として湯通しでも実食しました。味や食感、風味が変わり、生のホヤが得意ではないという学生も箸が進み、新鮮な驚きでした。

水産物の養殖・漁獲から仲卸、流通、そして、わたしたちが日ごろ消費者として小売店で手に取るまでのプロセスを、詳細に教えていただき、県産水産物の消費拡大や魚食普及に向けた課題や困難さを理解することができました。

その他にも、魚種ごとの価格の違いや、ホヤやホタテガイ養殖の厄介者とされる「カラス貝(シュウリガイ)」を新たな収入源にとの取組みについて、また、海の中の区画の割当や、漁業権、排他的経済水域(EEZ)についてなど、学生や教職員からのさまざまな質問に、西谷さんご夫妻や青森県水産振興課の職員の方々が丁寧にお答えくださり、中身の濃い講習会となりました。

「漁師めし」の料理講座など、今年度、青森県とともに実施したさまざまな魚食普及の企画を通じて、青森県産の生鮮魚介類を使った料理だけでなく、漁業者から消費者へのルート、全県的な販売促進の取組みなど、現状を知ることができました。

また、消費拡大だけでなく、漁業の担い手・後継者の確保や、資源・環境問題など、海を取り巻く課題が山積していることを、現場で水産振興に汗を流している漁業者や行政職員といった専門の方々から、直接、教わり、貴重でぜいたくな体験となりました。

今回の活動が、青森県の漁業を支え育てる主体の一人として、学生をはじめとする若者世代が関心を持って生活していく契機になればと思います。


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